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むかしむかし、ある貧しい家に、親指ほどの大きさの男の子が生まれました。その名も一寸法師。両親は心配しましたが、一寸法師は小さくても、心はとても大きく、勇気いっぱいでした。
「僕は大きくなるまで待たない。今すぐ都へ行って、誰かのお役に立ちたい」と一寸法師は決めました。
母さんがくれた針で作った小さな刀と、お椀の舟を持って、川を下って都へ向かいました。ちゃぷちゃぷと水音を立てながら、一寸法師の冒険が始まったのです。
都に着いた一寸法師は、お姫様の家でお仕えすることになりました。毎日、针ほどの刀で、一生懸命働きました。
あるひのこと。恐ろしい鬼が、お姫様をさらおうとやってきました。大きな角、真っ赤な顔、どんどんどんと地震のような足音。家来たちはみな逃げてしまいました。
しかし一寸法師は違いました。

「待て!」と大声で叫ぶと、小さな体を引き立たせて、鬼の前に立ちはだかりました。
「貴様、親指ほどの虫けら!」と鬼は笑いました。
「小さくても、心は誰にも負けません!」
一寸法師は、持っていた針の刀をかかげ、鬼に立ち向かいました。くるくると回転して、鬼の足をチクリと刺します。
「痛い!痛い!」と鬼は暴れ始めました。
一寸法師は、ピョンピョンと跳ねながら、鬼の肩へ。背中へ。今度は、鬼の耳へ針の刀を突き立てました。

「もう降参だ!」と鬼は叫んで、逃げていってしまいました。
お姫様は一寸法師を抱き上げました。
「ありがとう、一寸法師。君のような勇敢な心を持った者を、見たことがありません。」
一寸法師の勇敢さの話は、都中に広がりました。お殿様も一寸法師に褒美をくださいました。金や銀よりも、一寸法師が喜んだのは、大勢の人が自分を信頼してくれたことでした。
その後、一寸法師は、いつも誰かのため、何か困っている人のために、その小さな体と大きな心で、たくさんの人を助けたのです。
「小さくても、勇気があれば、何だってできる。」
これが、一寸法師の教えになったのです。
おわり。
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